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笠松競馬の存続とお役所仕事

今、笠松競馬が廃止か存続か?と話題になっている。『競馬ブック』に毎週のように連載が掲載されていて、昨日の夜はテレビでもドキュメンタリーがやっていた。

俺は地方競馬には1回も行ったことがないんだけど、前の仕事の客で笠松に程近い、岐南町にあった客がいたので、笠松の馬場や周りの厩舎を観ている。そういう事もあって、地方の中では笠松に多少の思い入れはある。俺は当然、存続を期待してる。

では、何故廃止なのか?っていうと、経営が赤字になって、このままいくと税金で補填しなければならないからだという。

笠松は今までの黒字の時の積立金で赤字分を補ってたそうだが、その積立金がなくなってしまったようだ。

そこで岐阜県は調査委員会を作って、笠松の現状を調査して、存続か、廃止か?を決めようとした。でも、その調査委員会のメンバーは廃止論者で、行政寄りのメンバーで構成されているようだ。映像を観てた限りだと、商工会議所の所長とか、そんな人達だったような気がする。

しかも、そのメンバーの人達は競馬を1回も観た事がないという人達だという。

そんな人達が行政寄りに調査をするから、結論は「廃止すべき」になるのは当然だ。それを受けて、県側も、「出来る事は全てやり尽くし、これ以上やっても黒字には出来ない」という姿勢を採っていた。

でも、競馬ファンなら分かる事だけれども、「ほんとにそうなの?」ってツッコミを入れたくなるし、もっと色々出来る事はあるだろう。競馬ファンへのアピールの仕方とか、やれること、経営努力ってのはまだまだたくさん出来るんじゃないか?

競馬法の改正で民間企業の地方競馬への参入が出来るようになるらしく、「あの」ライブドアが地方競馬への支援に手を挙げて、競馬場の経営をしたいという意志表示をしていたが、結局ネットでの馬券販売のみをしたいと言う事になって、競馬場経営はなくなったようだ。

俺がどうなの?って思ったのは、県側の交渉の姿勢だ。今まで大した営業努力もしないで、お役所仕事的にやってきたくせに、赤字が出るとすぐに「廃止」だという。廃止に向かわせたいから、ライブドアへ経営責任を取れるか?ってことを言う。しかも、欲しければ譲ってやるっていうスタンスで。このスタンスはなんなんだろう?本来ならライブドアに頭を下げて、助けてもらうっていうスタンスが普通なんじゃないんだろうか?廃止させたいっていう意向があるなら県側が投げやりになるのは当然と言えば当然なんだけれど。

「地方が財政難だ」ってのも分かる。一般企業が儲けのない話に食いついてこないのもそうだろう。でも、言いたいのは、「地方が苦しい」といいながら、それを改善する努力をしてるのか?ってことだ。お役所の人間はいくら赤字を出そうが自分のクビが飛ぶことはない。でも、一般企業は儲けのないものに投資して、失敗したら、自分が食いっぱぐれてしまう。

公務員を目指してる者の1人として、どうしてお役所はこうも一般社会的感覚を持ち合わせていないのか?って言いたい。競馬場の経営に関して、行政の側から努力もしないで、客を呼び込もうという事をしない。来る客を待ってる。それでいつまでも客が来てくれる訳がない。それで赤字になれば打ち切りと言う。それってどうなの?

1人の競馬ファンとして、ネットで、更にはJRAのPATで地方の馬券が買えたらいいのになあと思う。やっぱり交流G1を買いたい。中央の一流のダート馬が走ってるんだから、やっぱり馬券を買いたくなる。それが出来れば地方競馬はもっと潤うはずだし、経営も改善されると思う。でも、人や馬の交流は進んでても、JRAと地方のシステムの壁は未だに高いような気がする。

歴史、伝統を消すのは簡単だ。でも、歴史、伝統を保存するのは難しい。誰かがどっかで言っていた。全くその通りだと思う。

競馬場を残すかどうかについて赤字、黒字だけで判断してしまって本当にいいんだろうか?俺はいいはずがないと思ってる。

笠松には存続してほしい。

じゃ、また。
by toproad3000 | 2005-02-01 14:15 | 競馬


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